特報 学会本体の体質を露呈!?
創価大学職員らによる通話情報流出事件発覚
(10/1号)-山田直樹(雑誌記者)

 危惧していた通りの事件が起きた。九月十三日、警視庁保安課に逮捕されたのは、創価大学学生課副課長・根津丈伸、同大学剣道部監督・田島稔、そしてNTTドコモ関連会社(ドコモ・システムズ)社員、嘉村英二の三人。
 警察発表によると、事件の概要はこうだ。田島容疑者が交際していた女性と、その知人男性の_浮気_を疑い、根津容疑者を介して、嘉村容疑者に女性ら二人 の携帯電話通話記録の入手を依頼。嘉村は、派遣されていた東京・江東区のNTTドコモ情報システム部で、料金明細の端末を不正に操作して、二人のおよそ一 カ月分の通話明細をプリントして、田島容疑者に渡したという電気通信事業法違反(通信の秘密侵害)の疑いである。
 読売新聞は第一報で大学名を伏せて記事化して、創価学会に気を使った様子が窺われるが、これ以外の一般紙にしても肝心の部分を書いていない。実は逮捕された三人、いずれもが創価学会員であるのだ。
 嘉村は創価大出身者。大学では情報システムを専攻していたという。田島は、元警視庁の巡査部長で九五年に創価大へスカウトされた。剣道の国際大会での優 勝歴もある彼は、監督だけでなく学生寮の管理人も務めている。いわば率先して範を垂れるべき立場の人間だった。 ちなみに学会での役職は、大学地元の八王 子市で地域の男子部主任部長である。また、田島の上司筋にあたる根津は、創価大十期生。全国副青年部長で第二総東京と呼ばれる東京・三多摩地域の副青年部 長にある他、八王子地域の青年部長も務めている。さらに彼は、創価大出身者の同窓会である「創友会」の評議員でもあった。評議員は、創価大各期代表が務め ている。たとえば根津の前、第九期代表の評議員は、池田大作創価学会名誉会長の三男・尊弘氏(学会副会長)といった具合である。
 こうした根津のような学会エリートが、創価大関係者を引き込んで、なぜ危ない橋を渡ったのだろうか。一般紙はおしなべて、ドコモの管理体制不備やチェック機能不全ばかりを問題視するが、果たしてそれだけか。
 根津にはもうひとつの顔がある。それは専ら、学会批判者の調査や攻撃を任務とするという「教宣部」に所属していること。事件そのものは、色恋沙汰から引 き起こされたと見るのが妥当ではあろうが、嘉村はなぜそんな違法行為を断りきれなかったのだろう。そこに創価大や学会を媒介にした上下関係の"重さ"も見 て取れよう。
 今回、田島容疑者が件の交際相手に通話明細を示して迫ったために、被害者はドコモへの相談を経て、警視庁に告訴して事件が公になった。逆に言えば、コッ ソリ通話明細を引き出すなど、いくらでも可能だったのかもしれぬ。現段階では、金銭の授受があったか否かははっきりしない。が、仮にそれが無かったとして も、別の意味で大問題だ。
 共産党宮本議長宅盗聴事件を引き合いに出すまでもなく、なぜ学会員にはこの手の事件が多いのか。最近の一例を挙げよう。八月二十八日、さいたま地裁川越 支部で日蓮正宗僧侶に対する創価学会の名誉毀損裁判の判決が下った。原告側の五千万円の請求に関して、裁判所は五万円の支払いを認め、学会は鬼の首でも 取ったかのような大騒ぎを機関紙で行った。が、判決の中で裁判所は、そもそも名誉毀損に当たる僧侶の発言は原告よりの人物が、盗聴・録音したものだと認定 したのである。
 通信傍受法、いわゆる盗聴法に賛成したのは公明党だった。メディア規制三法も推進の立場である。その公明党の支持団体は創価学会だ。官界から民間企業ま で、学会人脈はしっかり根を張っている。その中で起きたこの事件。NTT側は、記者会見でこう述べている。
 「誰が(端末機に)アクセスしたか、チェックしていなかった」
 つまり、これまで同様の行為があったとしてもノーチェックだった。一方、創価大学は聖教新聞紙上に「おわび」を掲載(九月十五日付)した。曰く、
 「大学としては調査委員会での調査をふまえ、厳正な処分をしていく所存です」
 こうした「おわび」こそ、一般紙に広告で掲載すべきだと筆者は考えるのだが。さてこの「調査」、もちろん公開していただけるのでしょうね。首を長くしてお待ちします。

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