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2009年08月10日

2009-8 信濃町探偵団―創価学会最新動向

●またまた流れた池田大作死亡説

・7月31日付「聖教新聞」「名誉会長が出席 師弟会館で記念勤行会」
 「学会本部・師弟会館(東京・信濃町)で29日、記念勤行会が行われ、池田名誉会長夫妻が原田会長、正木理事長ら各部の代表と出席した。―中略―(池田名誉会長は)『逆境こそチャンス』ととらえ、何ものをも恐れぬ創価の獅子となって、走りに走り、叫びに叫び、断じて勝ち抜いていただきたい」

 ※7月25日前後、インターネット上で創価学会の池田大作名誉会長が倒れ、脳死状態で慶応病院に運ばれ死亡したなどという情報が流れ、政界やマスコミ界も情報の確認に右往左往した。池田大作氏の健康状態や動静についての憶測が流れることは珍しいことではなく、過去にも何度か池田氏は「倒れた」とか「死亡した」との噂が流れている。今回、池田氏が死亡したとの憶測が流れたのは、7月17日付「聖教新聞」の本部幹部会出席記事以後、しばらく池田氏の動静に関する記事が掲載されなかったことから、こうした憶測が流れたのではないかと想像される。
  7月には東京都議選が行われた。そして8月には衆議院選挙が行われる。こうした選挙期間中に池田氏が表に出ることはあまりない。その理由は、言論出版妨害事件によって国会への証人喚問を要求されて以来、池田氏の発言が外部に漏れ、問題化することを恐れているからと推測されている。
  本誌既報のように昨年来、民主党は政治と宗教の問題、ことに創価学会問題を国会で追及し続けており、その過程で池田氏と矢野絢也元公明党委員長の国会招致を求めている。来る衆院選では政権交代の可能性が高まっているが、もし政権交代が実現すれば、創価学会問題が国会で取り上げられる可能性はさらに高まることになろう。そうした時期に、例えば平成5年の「デエジン」発言に象徴される池田氏の本音発言が漏れれば、大問題になるのは必至。池田氏並びに創価学会は、慎重の上にも慎重を期しているはずである。
  その結果、池田氏の動静が「聖教新聞」に掲載されることが少なくなった。池田大作死亡説が流布する背景はこんなところだろう。もっとも逆説的に言うなら創価学会の秘密主義、特に池田氏の動静について徹底した秘密主義を貫く創価学会の体質が、こうした憶測を招来しているとも言える。

●宗教政治集団・創価学会――東京都議選から衆議院選へ

・7月14日付「聖教新聞」「さあ連続勝利の大行進」「東京 勝鬨轟く大会」「関西が代表幹部会 常勝の天地に新たな金字塔を」
 「明年の創価学会創立80周年へ、広宣流布の連続勝利を目指す同志の大行進が始まった!歴史的な完勝を飾った東京では13日、勝鬨轟く各区の大会が行われ、次なる栄光の峰へ敢然と出発した。―中略―また常勝の天地・関西では代表幹部会が開かれ、新たな金字塔の構築へ、いよいよの大闘争を開始した」

・同「座談会 新時代を勝ち進め」「東京都議会選挙で公明が大勝利」「勝って兜の緒を締めよ」「議員は支持者の大恩を忘れるな」
 「金沢(総東京長)このほど行われた東京都議会議員選挙。我々が支援する公明党は、20選挙区で23人が『全員当選』『完全勝利』を勝ち取った。
 原田(会長)見事な大勝利だった。特に、目黒、荒川、世田谷、足立!本当に、おめでとう!
 正木(理事長)町田、豊島、墨田、中野、北多摩1区も、大接戦を制しての大勝利だった。皆、万々歳だ!
 金沢 全東京はもちろん、全国の支持者の絶大な応援あっての勝利です。本当に、ありがとうございました!
 原田 すべては支持者の血のにじむような支援のおかげだ。この大恩を、公明党の議員は断じて忘れてはならない。深く、強く、肝に銘じるべきだ。―中略―
 原田 いよいよ衆議院選挙がある。今こそ『勝って兜の緒を締めよ』だ。公明党の議員は、全身全霊、全力で戦え!堂々たる『連戦連勝』の歴史を断固として築け!」

・7月18日付「聖教新聞」「大兵庫が勇進 断じて勝つ!誓いの大会」
 「『断じて勝つ!』との心意気で、勇躍前進する総兵庫の代表幹部会が17日、兵庫文化会館で開催された。―中略―宇田同婦人部長、河原総兵庫長は、強き祈りと勇猛果敢な行動が不可能を可能にする要諦であると強調。『自身の壁を打ち破る大闘争で、師に絶対勝利の報告を!』と訴えた。山下関西婦人部長に続き、西口総関西長は『執念と勇気の対話で、今再びの“まさかが実現”を』と呼びかけた」
 「神奈川が前進 横浜保土ヶ谷・旭の合同大会」
 「師弟直結の誇り!正義の誉れの神奈川が前進!―中略―笠貫副総合婦人部長は『師弟不二の祈りは無敵。師と心を合わせ、異体同心で進みましょう』と呼びかけた。正木理事長は、?〇嫩錣瞭鮫?団結の道?B佻辰瞭察宗修魄豢擇某覆狠罎鳳標?は開かれると強調。『池田門下の底力を示す時は今!師匠に断じて勝利の結果を!』と激励した」

・7月27日付「聖教新聞」「座談会 新時代を勝ち進め」「世界の憧れ『大関西』」「西大阪 新大阪 常勝大阪 堺 兵庫中央神戸 尼崎が大前進」
 「西山(関西長)今や全世界の同志が仰ぎ見る、常勝の城・大関西です。そして、関西の勝利ありての広宣流布です。広布第2幕も、池田先生と共に!我々は断じて勝ちます!勝ち進みます!」
・7月28日付「聖教新聞」「広布の英雄よ、勝ちまくれ 本陣・大東京が本部長会」
 「創価の本陣・総東京の本部長会が27日、東京戸田記念講堂で意気高く開かれた。池田名誉会長は、広宣流布の英雄にメッセージを贈った。『君たちは、永遠に長者であり、英雄である。永遠に、大勝利者であり、人間の大王者なのである』『大英雄よ、何も恐れるな!楽しく戦い抜け!勇敢に生き抜け!堂々と勝ち抜け!』」

・7月28日付「聖教新聞」「新あの日あの時 池田先生と新大阪総県」「今再びの『勝利のVサインを』

・7月30日付「聖教新聞」「座談会 新時代を勝ち進め」「東京 北 足立 神奈川 保土ヶ谷旭が奮闘」
 「原田(会長)東京の北区、足立区、神奈川の保土ヶ谷区、旭区!全国の同志が大勝利を待っている」

 ※7月12日投開票で行われた東京都議会議員選挙に続いて、8月30日投票が決まった衆議院総選挙に向かって創価学会が組織の総力を挙げての取り組みを始めている。ここで紹介した各種の会合が開かれている地域は、いずれも衆議院小選挙区で公明党の候補が立つ地域である。
 「師弟不二」とか「広宣流布」などという宗教的命題や目的を強調し、学会員を選挙に煽り立てる各種幹部。そして「永遠の指導者」で、絶対の師匠とされる池田氏も「何も恐れるな!楽しく戦い抜け!勇敢に生き抜け!堂々と勝ち抜け!」と檄を飛ばすのだから、学会員は否応なく選挙に挺身せざるを得なくなる。サポタージュするものは「非国民」ならぬ「非学会員」扱いされることになるからである。
  こうした宗教的呪縛と強制によって展開される学会員の選挙闘争を原田会長は、「すべては支持者の血のにじむような支援のおかげだ」と表現しているが、宗教法人・宗教団体が「血のにじむような」選挙活動を強制していいのか。
  冬柴鉄三元幹事長が立候補する兵庫8区には、田中康夫新党日本代表が立候補することとなり、冬柴氏の苦戦が伝えられるが、その兵庫8区を抱える創価学会の兵庫の総県長は、学会員に「強き祈りと勇猛果敢な行動が不可能を可能にする要諦であると強調。『自身の壁を打ち破る大闘争で、師に絶対勝利の報告を!』」などと会員を煽っている。
  その兵庫8区の中核である尼崎と池田氏の関係を「聖教新聞」は次のように強調する。

 ・7月31日付「聖教新聞」「新あの日あの時 池田先生と尼崎総県」「尼崎は『日本の柱』『広布の柱』」
 「名誉会長が全身全霊を込めた常勝の城――その名を尼崎という」
  こうした宗教的呪縛と強制で、学会員は盛夏の中、選挙闘争に駆り立てられるのである。

投稿者 Forum21 : 2009年08月10日 00:41

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