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2004-7-15

特集/くり返される異常な創価学会の政教一体選挙
参院選直前、本部幹部会発言にみる政教一体構造

本誌編集部

 本誌でもたびたび報じているように、創価学会は各種選挙のたびごとに宗教活動に名を借りた選挙活動・政治活動を組織あげて繰り広げている。創価学会ではこうした一連の選挙活動を、連合の民主党支援にみられるような労働組合の政党支援と変わらないと主張。宗教団体や宗教者の政治活動に問題はないとアピールしている。
 だが宗教活動の一環として展開される創価学会の選挙活動・政治活動と、労働組合の選挙活動・政治活動を同列視することはできない。なぜなら労働組合の選挙活動・政治活動は、組合員一般の政治的要求・政策要求を具体化することを目的とするが、創価学会のそれは、
 ・選挙の勝利を宗教的正当性の根拠とする。
 ・選挙を「仏敵」打倒の「法戦」とする。
 ・選挙を教勢拡大の「バロメーター」とする。
 等の事実に象徴されるように、労働組合の選挙活動・政治活動とは全く次元を異にしているからである。

 そうした創価学会の政教一体の選挙活動・政治活動の実態を顕著に示すのが参議院選挙の公示を間近にした6月15日に東京・千駄ヶ谷の創価学会施設・国際友好会館で行われた本部幹部会での池田大作名誉会長、秋谷栄之助会長ら各幹部の発言である。本誌はこの本部幹部会での各幹部の発言録を入手したが、そこには参議院選挙を「仏敵打倒のための法戦」などとする創価学会の本音がナマナマしく語られている。
 例えば弓谷男子部長は、今回の参議院選挙を「正邪を明らかにし、極悪との決着をつけ、正義の旗を打ち立てる戦い」だと位置づけるとともに、公明党比例区1000万票の意味を、池田大作名誉会長が青年部に与えた「広布の土台は一千万」という歌を引き合いに出し、次代の50年間、創価学会が勝利し続けるための陣列の構築を意味すると主張している。
 同様に集票活動の要となる婦人部のトップである高柳婦人部長も、公明党比例区1000万票の獲得は、師匠である池田先生に応えるための「弟子の請願一千万の達成」だと強調。さらには秋谷会長もまた「平和と人道の連帯一千万」などと発言し、1000万票達成の重要性をアピール。1000万票の獲得こそが、創価学会が仏敵と位置づける極悪の輩、すなわち日蓮正宗や共産党、新潮社、山崎正友・元創価学会顧問弁護士や竹入義勝・元公明党委員長などの造反幹部・議員、脱会者など、創価学会と対立する人物や団体の打倒、ならびに創価学会が日本の政界のイニシアチブを握るための「ポイント」だと叫んでいる。
 選挙を自らの宗教的正当性を証明する闘争と位置づけるとともに、対立する人物や団体すなわち仏敵を打倒するための戦いだと強調する創価学会首脳。これを政教一体といわずして何と言おうか。
 そうした創価学会の政教一体の実態を赤裸々に示す6月15日の本部幹部会の各幹部の発言を以下に紹介する。ちなみにこれらの発言のうち、秋谷会長と高柳婦人部長の発言は「聖教新聞」に全文掲載されたが、弓谷男子部長と井桁女子部長の発言は掲載されていない。(音声不明瞭の部分は●等で表記しました)

弓谷男子部長挨拶
 皆さん、今日は。いよいよ創価の新時代を開く決戦が目の前に迫りました。全国の男子部はこの戦いの先陣を務めることを誇りとして、乾坤一擲の勇気の対話を猛然と重ねています。家族のこと、仕事のこと、いまの時代に悩みがないと言えばウソとなる。しかし、大いなる希望を胸に、いまこそ壁を破るチャンスだと、信心で立ち、勝ち越えながら、みなが歓喜の前進を重ねています。
 各地をまわりながらこうした同志と握手をかわしながら、私自身、あらためてこれこそ日本の民衆運動だと確信せずにはいられません。だからこそ、この目前の戦いも完全勝利で飾るしかない。我ら青年部が堂々たる攻勢の証を打ち立ててまいりたい。青年部の皆さん、戦おうじゃないですか。(オーッ)
 御聖訓にいわく「何の兵法よりも法華経の兵法を用いたもうべし……」この御聖訓のままに、ただ法華経の兵法によって進んできたのが創価の伝統であります。池田先生が一人矢面に立ち、日本の庶民の勝利の歴史を築き始めてくださって早半世紀を超えました。
 それは、正義の戦いであるからこそ、●の輩、忘恩の輩との激しい攻防でもありました。そしていまその総仕上げの戦いの前に「・・・・・」の御金言の通り、あらゆる仏敵がみなことごとくすべて出尽くしている。
 仏法の因果は厳然です。
 いま総出陣にあたり、その厳しい断末魔の姿を指摘しておきたいと思います。
 まずあらゆる諸悪の中心で蠢いたのが、あの山崎正友であります。凶悪な恐喝事件を起こして懲役3年の実刑までうけた山崎。その後も極悪の輩を誑し込み、結託し、なんとか学会を陥れようと攻撃をしかけた。しかしいま奴がどうなっているか。山崎自身、昨年は不倫事件が裁かれ敗訴が確定、今年も名誉毀損でも断罪されています。
 最近、裁判所で山崎を目撃した人の話によれば、山崎はやつれきり、●がさらに小さくなってかつての面影は全然ない。近くで見てもあれが山崎だとは誰も気づかないだろう、そう言われるまでに変わり果てた姿になった。いまや誰からも見向きもされないのであります。呼ばれるのは裁判所だけ。月刊ペン事件しかり、信平狂言しかり、山崎は裁判を悪用して学会攻撃を繰り返してきました。
 当然、そんな悪事は明るみになり、判決でも70回以上も大嘘だと断罪されました。
 そしていまや自分自身で名誉毀損の裁判をかかえて文字通りの裁判地獄。●に因果の姿があるのであります。
 そんな山崎が抱え続けてきた相手はどうなっているか。まず日顕。山崎にそそのかされて大恩ある池田先生、学会を切るなどといってC作戦までやりました。
 しかし結果は、信徒はたったの2%に激減。おまけにシアトル事件、芸者写真裁判等々、下劣な正体が世界中に知れ渡った。この2年あまりで日顕宗は最高裁で7度も断罪されているという没落ぶりであります。
 最近も夏期講習会の場で日顕は、登座以来、ずいぶん長いから辞めるとか辞めないとか云々と、もったいつけて話していたそうであります。しかし、勘違いしてるようだからハッキリさせておきたい。日顕がいつまでも退座せずなら、断固、我々は攻め続ける。退座したとて仏法破壊の大罪は責め続ける。いずれにしても最高裁から2度も断罪された法主の末路はただ除歴だけである。そう明言したいと思いますが、皆さん、いかがでありましょうか。
 その日顕に負けず劣らず山崎とは昵懇の仲と言われるあの共産党も衰亡の一途であります。国政選挙では衆院選で2回連続で得票を減らし議席も半減。参院選も平成10年に比べ前回平成13年では430万票も激減させてしまいました。
 先日の沖縄県議選での3人落選。無惨な敗退をしました。そこに泣きっ面に蜂なのが志井委員長の不調が報じられ、リーダー不在で今回どこまで減らすのかと囁かれ、まさに存亡の危機を迎えております。
 ともあれ学会を妬み、攻撃した週刊誌や政治家、退転者が皆、どれほど哀れな坂を転げ落ちたか、厳然たる事実であります。
 目前の決戦はその正邪を明らかにし、極悪との決着をつけ正義の旗を打ち立てる戦いであります。さらに追撃の手を緩めるな、それが我らの戦いの魂であります。
 「・・・広布の土台は1000万」。この戦いの幕開けに青年部に頂戴したお歌であります。この戦いが次の50年を決するといわれたからには、次の50年学会を勝たせ続けられる陣列を築く以外にありません。
 その明確な証としての完勝、圧勝の事実を堂々と勝ち取ってまいろうではありませんか。

井桁女子部長挨拶
 皆さん、今日は。本当に嬉しいことにこの6月も(池田)先生が女子部に大激励を送ってくださっています。先日も先生は「女子部は戦ってくれている」と、最大に讃えてくださり、奥様とともに「全員が人生の勝利者に、一人も残らず幸福に」と祈ってくださっています。
 この師匠のお心に女子部は広布拡大の実をもって断じてお応えしていく決意です。
 いま全国組織で女子部は、一人一人が勇気の拡大に挑戦。職場や地域での活躍が光っています。
 千葉県のあるゾーン(圏)女子部長は、最大の勇気をもって職場の元上司との対話に挑戦。心通う対話ができますようにと真剣に祈り臨みました。話題が政治の話になると上司は「政治家は権力を振るってやりたい放題じゃないか」と一言。それに対し彼女は、「いまや一番の権力を振るっているのはマスコミではないでしょうか。ニュース番組などを見ていても政治を客観的な視点で報道しているようには思えません。事実は新聞だけでなく私の話も聞いていただけませんか」と1時間にわたり誠実に対話をしました。
 上司はジッと聞いてくれ、すべて聞き終わると「あなたのような若い人がこれほど政治に関心を持つことは、本当に凄いことだ」と言い、その場で自らの●●を聞かせてくださったのです。彼女は感激し、自身の弱い心に負けることなく勇気を出して挑戦して本当によかったと確信をしました。
 心清らかな信強き女性の振るまいが世代を越えて信頼と共感を広げていくことを実感します。
 若い女性が信念を持ち、政治や日本の未来を真剣に語る。そんな団体がいまの日本のどこにあるでしょうか。私たち創価学会女子部は社会の希望の存在であるといえます。(中略)
 先生は私たち女子部に「世界一幸福の道 この道」との句を詠んでくださいました。先生とともに広宣流布にひたむきに歩む青春、この道こそが世界一幸福の道であると確信します。さあ女子部の皆さん、先生との誓いを果たすのは今です。祈祷抄の「法華経の行者の祈りのかなわぬことはあるべからず」との一節を胸に刻み、強情な祈りと過去最高の正義の対話で断じて1000万の陣列をなしとげていこうではありませんか。以上です。

高柳婦人部長挨拶
 私たちは、感謝と決意をもって『人類の未来を決定する尊き法戦』に『皆が勝利者の時代を創りゆく大行進』に、勇気と執念で戦っていきたいと思いますが、婦人部の皆様、いかがでございましょうか。(中略)
 (池田)先生はスピーチで、ロサレス女史のモットー『私の辞書に「敗北」という文字はない』を引いて『私たちもフィリピンのお母さまに続きましょう。何があっても、負けない。それが『勝ち』です。』『これこそ、幸福博士の真髄の哲学です」と語られました。創価の母の私たちも、『絶対に負けない あきらめない 屈しない 我が辞書に敗北はない』この信念で戦い抜いていきたいと思いますが、皆さまいかがでございましょうか。6月2日の最高協議会の折、先生は、『師弟の道が向上の道、不知恩の人間にはなるな』と仏法の魂を教えてくださいました。(中略)
 反対に、学会にお世話になり、学会のおかげで偉くなりながら、増上慢になり、感謝を忘れ、同志を裏切る。そういう不知恩の人間には、断じてなってはならない。また、そういう悪を絶対に許してはならないし、戦っていかねばならないと、深く決意したものです。
 三代会長が身をもって示された、余りにも峻厳な師弟の道。私たちは、偉大な師匠・池田先生のもと、師弟共戦の炎を燃え上がらせ、弟子の誓願1000万達成に、ひたぶるに祈り戦っていきたい。さあ、『幸福と勝利の人間の旗』を高く掲げて、きょう一日を朗らかに勝ち、大前進していこうではありませんか。

秋谷会長指導
 いよいよ『創価完勝の年』、その完勝を目指し、全国同志の異体同心のスクラムで、さらに勇躍、大勝利への驀進をしてまいろうではございませんか。(中略)
 現在、国際的には地球環境をめぐる諸問題をはじめ、イラク問題とともに、テロはいつどこで起こってもおかしくない状況に、世界の人々の心は不安に満ちております。
 日本もまた経済の低迷をいまだ脱し切れず、政治もまた混迷が続き、閉塞状況を打開できずにおります。国民の政治家不信、政党不信は高まるばかり。未来への確かな指標を誰も示せず、まさに先行きの見えない時代であります。無気力、無責任の空気が瀰漫している状況であります。
 その象徴が選挙をやれば無党派層が50%を超え、また投票率の低下が顕著になってきております。世論は浮き草のようにマスコミに揺り動かされており、何を信じていいのか、極めて不安定な社会状況になっております。このような時こそ確信のある言動が大事であります。確信のある言動が人々の心を吸い寄せ、動かしていく。真実を訴え、確信を持って語れば語った分だけ、味方を広げていくことができる時代であります。(中略)
 民衆の心と心を結び、草の根の民衆の連帯を築いていくのが広宣流布運動であり、この民衆パワーが爆発してこそ、混迷した時代を改革する力になっていくのであります。
 いまこそ、公明党はその先頭に立ち、国民の信頼を勝ち取り、未来を開く使命があります。議員や家族は当然として、OBも先陣を切って駆けめぐり、必死の戦いで訴え続け、その本領を発揮する時であります。我々も公明党の支持を決定しており、絶対に無事故、無違反で、正々堂々と支援をしてまいろうではございませんか。
 戦いの勝敗は勢いで決まります。最後まで、勢いよく攻めることであります。いよいよ、学会正義の炎が燃え上がる『師弟の月』であります。各自が悔いなく語りに語り、最後まで粘り強く戦い抜いてまいりたい。そして『平和と人道の連帯1000万』を断じて勝利し、再び集まろうではございませんか。



 創価学会と対立する人物や団体を「極悪」と位置づけ、憎悪のエネルギーを掻きたてるとともに、「勝て」「勝利」「敗北はない」と、最後の最後まで戦い抜くよう学会員を煽る首脳幹部。昭和45年5月3日に開催された創価学会の本部総会の席上、池田大作会長(当時)は、「学会員の政党支持」や「投票」は自由だと公約した。だが実際には6月15日の各種幹部の発言に明らかなように、創価学会は学会員を宗教的に呪縛し、その投票の自由を拘束し、「極悪を打倒し正義の旗を立てる」という「法戦・決戦」に学会員を駆り出しているのである。

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